30代シングルマザーの患者様のおはなしです。
仕事・家事・育児の3役をこなすこの方は、とても忙しい毎日を送っておられるようです。今回は以前より感じていた腰痛が酷くなってきたとのことで来院されました。
診察室でお話を伺うと20代のころからの腰痛持ちで、まったく痛みのない期間もあったそうです。
そこで腰部のレントゲン写真を撮影させていただいたのですが、特別な異常は見られません。さらなる精密検査をしなくては病状が把握しきれないので、名古屋市内の病院でMRIを撮っていただくことになりました。
レントゲンに加えMRI・3DCTはペインクリニックでの腰痛の診断・治療に必須の検査です。それはレントゲンだけでは腰の状態を把握しきれないからです。また腰痛は腰以外(胃腸や子宮など)が原因のこともあり、慎重に診断しなくてはならないからです。
結果『腰椎椎間板ヘルニア』とわかり、ご本人がペインクリニックでの腰部硬膜外ブロック注射による治療をご希望されたので施行いたしました。
椎間板ヘルニアとは椎間板が飛び出してきて、近くの神経に触るために起こる病気です。
しかし、時間が経過すると飛び出したヘルニアが引っ込んでいきます。この方のように症状が良くなったり悪くなったりするのはそのためです。ということは、痛い期間だけ痛みを止めればいい、ということになります。つまり椎間板ヘルニアは必ずしも手術を必要としないのです。
痛みが激しいときだけ痛みの治療を行うというのが、一番効果的な方法だと思います。
もちろん現在は仕事に復帰されています。
Copyright© 増田医院. All Rights Reserved.