長く立ち仕事をしてこられた60代女性のおはなしです。
若いころから働き者と町で評判だったこの方は、これまでご夫婦でうどん屋さんを営んでこられました。
数年前から腰痛に悩まされ、マッサージやハリ治療などされてきたとのことですが、徐々に痛みが増してきたために当病院に来院されました。
診察室でお話を伺うと腰の痛みが中心で、立っていると足がだるくなったり身体を後ろにそらすと痛みが増すそうです。
そこで腰の骨のレントゲンを撮影し、名古屋市内の他の病院で腰椎MRIと3DCT撮影もしていただきました。
レントゲン・MRI・3DCTは腰痛の診断・治療に必須の検査です。それはレントゲンだけでは腰の状態を把握しきれないからです。また腰痛が腰以外(胃腸や子宮など)に原因があることもあり、慎重に診断しなくてはならないからです。
結局、『腰椎すべり症』と診断してペインクリニックの代表的治療法である腰部硬膜外ブロックをさせていただきました。初回の治療からまずまずの効果があり、2か月にわたって合計20回ほど行わせていただいた結果、現在はほとんど痛みを感じることなく過ごせているそうです。
このように、立ち仕事を長年されてきた方にすべり症は多く見られます。しかもこのすべり症は近年増えている傾向にあります。
ただし生活に支障が出ない限り、手術をすることはありません。
Copyright© 増田医院. All Rights Reserved.